後遺症

脊柱の後遺障害(脊柱の圧迫骨折等)

脊柱の後遺障害(脊柱の圧迫骨折等)

我々の背中には、首から腰にかけて小さな骨が積み重なっている「脊柱」があります(普段、「背骨」と呼んでいる部分です。)。

脊柱は、頭や体を支えて、姿勢を維持するなどの重要な機能を果たしています。交通事故によって脊柱を圧迫骨折するなどして変形や運動障害が残ってしまった場合、これらの機能に重大な障害が生ずる可能性があります。

また、自覚症状がほとんどなかったり、痛みに留まる場合であっても、年齢を重ねるうちに機能面での障害が生ずる可能性もあります。

そのため、脊柱の機能に障害が残ってしまった場合はもちろん、頸椎や腰椎に圧迫骨折等、脊柱の損傷に関する診断を受けた場合には、後遺障害の等級認定を獲得して適切な賠償金を獲得する必要があります。

しかし、脊柱は、等級の認定基準が自覚症状と連動しておらず、医師にも特殊な測定をしていただかなければ低い等級が認定されかねないなどのリスクがある分野です。

そこで、今回の記事では、脊柱の変形や運動障害について、等級の認定基準や認定のための準備について、等級認定手続のサポート経験が豊富な弁護士の視点から、ポイントを解説してまいります。

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脊柱の後遺障害における基礎知識

後遺障害における「脊柱」とは、体幹を支える部分のみを指す

後遺障害の等級認定上、脊柱とは、「頸椎」・「胸椎」・「腰椎」を指します。つまり、背骨のうち、首から腰にかけての部分だと考えればよいわけです。

これらの部位は体幹を支持する機能がある重要な部位であるため、「脊柱」として独自の等級が設けられたのです。

医学的には、腰よりも下位の「仙椎」と「尾骨」も脊柱に含まれますが、体幹を支持する機能がないため、後遺障害の等級認定上、これらは「骨盤」として扱われ、脊柱の変形障害とは無関係ですので、ご留意ください

※骨盤骨の変形については「体幹骨の変形障害について解説」の記事をご参照ください。

脊柱には3種類の後遺障害がある

脊柱の後遺障害には、大別して、①変形障害、②運動障害、③荷重機能障害の3種類の等級が設けられています。

以下では、この種類別に、認定基準を説明してまいります。

変形障害

脊柱の圧迫や破裂骨折により、椎体や脊柱の並びが変形する障害

運動障害

脊柱をうまく曲げたり、動かしたりすることができなくなる障害

荷重機能障害

脊柱が体を支えることができなくなる障害

神経系統の後遺障害との兼ね合い

脊椎の変形等が原因で、脊髄を損傷・圧迫して四肢に麻痺が生じた場合には、神経系統の後遺障害として扱われることとなり、脊椎の障害等級の方が重いものと評価されない限り、個別に脊柱の障害としての認定はされません。

脊柱の変形障害

脊柱の変形障害とは

脊柱の後遺障害のなかでも比較的多くお見受けするのが、変形障害です。脊柱を構成する各骨(「椎体」といいます。)が潰れてしまい、その部分を境に脊柱が傾くことから、痛みや、姿勢不良、背骨の隆起などの障害が生じます。

脊柱が前後方向に傾くものを「後彎(こうわん)」といい、左右に傾くものを「側彎(そくわん)」といいます。歩行者や自転車で交通事故に遭われた際に尻もちをついて、「腰椎圧迫骨折」を負うのが典型的な脊柱変形の発症場面です。

脊柱の変形障害を獲得するための準備・検査

レントゲンによる変形初見の獲得 圧迫骨折や脱臼などの診断がある場合、必ず、各椎体について、圧迫骨折、破裂骨折、脱臼など、変形があることが明らかな画像所見を獲得しておく必要があります。

なお、残存する圧迫骨折等が、交通事故に由来するものであることを認定してもらうためには、「事故後早期に撮影されたレントゲン」と、「後遺障害の診断時(症状固定時)に撮影されたレントゲン」との両方に初見が認められることが必要ですので、注意してください。

後彎の場合-「椎体高」の測定が必要

脊柱が後彎していると診断された場合には、圧迫骨折などが生じた椎体の「前方椎体高」と「後方椎体後」を計測し、その結果を後遺障害診断書に記載してもらう必要があります。

要するに、椎体の前方の長さ、後方の長さに比べてどの程度短くなっているのかを確認することで、椎体の変形・圧潰度合を確認するわけです。

なお、複数の椎体が変形している場合、そのすべてについて、前方・後方椎体高を計測しておく必要があります。

側彎の場合-「コブ法」による側彎度の測定が必要

脊柱の側彎の程度は、「コブ法」によって判定されます。したがって、可能であれば、主治医にコブ法による側彎度を測定していただき、後遺障害診断書に記載してもらうべきです。

「コブ法」とは、レントゲンにより、次の手順で側彎度を求める手法です。

ⅰ:脊柱のカーブを頭側・尾側のそれぞれにおいて、水平面から最も傾いている脊椎を求める。
ⅱ:ⅰで求めた頭側で最も傾いている脊椎の椎体上縁の延長線と、尾側で最も傾いている脊柱の椎体下縁の延長線とを交わらせる。
ⅲ:ⅱで延長線が交わった角度が、側彎度となる。

等級の認定基準

以上のようにして得られた変形初見や、変形の程度に応じて、次のとおり等級が認定されます。脊柱の変形障害の等級認定表は、以下の通りです。

第6級5号

脊柱に著しい変形を残すもの

第8級相当

脊柱に中程度の変形を残すもの

第11級7号

脊柱に変形を残すもの

これらに該当するか否かの判断においては、自覚症状が一切考慮されず、変形の結果、どの程度椎体の長さが短くなったのか、どの程度の角度まで脊柱が曲がってしまったのか等、レントゲン画像から読み取れる情報のみが考慮されます。

以下では、具体的な認定基準を解説してまいります。

脊柱に著しい変形を残すもの(第6級5号)

次のいずれかに該当する場合に、「著しい変形を残すもの」と評価されます。脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがレントゲン等において確認できるもののうち、

ⅰ:2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎が生じているもの
ⅱ:1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じるとともに、コブ法による側彎度が50度以上となっているもの

ⅰについて、「2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少」したとは、減少した全ての椎体の後方椎体高の合計と、減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個あたりの高さ以上であることをいいます。

例えば、3つの連続する椎体において変形が生じ、その前方椎体高がそれぞれ、20mm、20mm、30mmにまで減少したケースにおいて、その後方椎体高はいずれも40mmであったとします。このような場合、次のとおり、「著しい変形」があったといえます。

減少した全ての減少後の前方椎体高の合計
120mm - 70mm = 50mm ……… (ⅰ)
(後方椎体高の1個あたりの高さ)  
120mm ÷  3   = 40mm ……… (ⅱ)
→ (ⅰ)>(ⅱ)であるため、「著しく減少」したといえる。

また、ⅱについて、「前方椎体高が減少し」たとは、減少した全ての椎体の後方椎体高の合計と、減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個あたりの高さの50%以上であることをいいます。

例えば、先ほどのⅰにお示しした例で、前方椎体高がいずれも30mmであった場合には、さらにコブ法によって側彎度を確認しなければ、「著しい変形」にあたるか否かが判断できないということになります。

減少した全ての減少後の前方椎体高の合計
120mm  -  90mm  = 30mm ……… (ⅰ)
(後方椎体高の1個あたりの高さの50%)
120mm ÷ 3 ×0.5 = 20mm ……… (ⅱ)
→ (ⅰ)>(ⅱ)であるため、「減少」したといえるため、さらに、コブ法による側彎度を確認する。

脊柱に中程度の変形を残すもの(第8級相当)

次のいずれかに該当する場合に、「中程度の変形を残すもの」と評価されます。

ⅰ:脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがレントゲン等において確認できるもののうち、1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じているもの
ⅱ:コブ法による側彎度が50度以上となっているもの
ⅲ:環椎または軸椎の変形・固定(環椎と軸椎の固定術が行われた場合を含む)により、次のいずれかに該当するもの。

(ⅰ)60度以上の回旋位となっているもの
(ⅱ)50度以上の屈曲位
(ⅲ)60度以上の伸展位になっているもの
(ⅳ)側屈位となっており、レントゲン等により、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの

ⅰにおける「前方椎体高が減少し」たとは、(1)「脊柱に著しい変形を残すもの(第6級5号)」のⅱにおいて解説したものと同様です。

なお、頚部と胸腰部のいずれもについてこれらを満たす場合、第7級相当として扱われます(詳細は「第6」に記載)。    

ⅲにおける「環軸椎(環椎と軸椎)」とは、頸椎のうち最も頭部に近似する椎体を指します(つまり、ⅲは頸椎上部の変形です。)。

脊柱に変形を残すもの(第11級7号)

次のいずれかに該当する場合に、「変形を残すもの」と評価されます。

ⅰ:脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがレントゲン等において確認できるもの
ⅱ:脊椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかの脊椎に吸収されたものを除く)
ⅲ:3個以上の椎体について、椎弓切除術等の椎弓形成術(椎弓の一部を切離する脊柱管拡大術を含む)を受けたもの

ⅰについて、「変形を残すもの(第11級7号)」の認定においては、変形の程度が問われず、単にレントゲン上、圧迫骨折等の所見が得られていればよいとされています。

また、環椎や軸椎の変形において、(2)のⅲにおける「中程度の変形」に該当しないものについても、レントゲン上の所見が得られていれば、やはり「変形を残すもの」として認定されます。

ただし、軸椎の歯突起部の骨折については、突起上部のみに骨折線が生じたもの(Anderson type I)については、脊柱の支持機能に影響がないため、脊柱の変形とは評価されません(突起上部の根本部分にまで骨折線が及んでいる場合に、はじめて脊柱変形の評価対象となります。)。

ちなみに、各椎体の高さや角度には変化が生じないため、横突起や棘突起の骨折・変形では、脊柱の変形とは扱われません。交通事故によるお怪我では、「横突起骨折」が比較的よく見受けられますので、区別して考える必要があります。

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脊柱の運動障害

脊柱の運動障害とは

脊柱には、①屈曲(前屈)/伸展(後屈)、②回旋、③側屈の3種類の運動があります。

これらの運動機能が、脊柱の骨折等の損傷により制限された場合には、「脊柱の運動障害」として、後遺障害の等級が設けられています。

ところで、脊柱のうち、頸椎については、頭部を支えており、胸椎・腰椎部よりも自在な回旋運動が可能であるなど、独自の機能があることから、頸部単独の運動障害が認定の対象になります。

他方で、胸椎と腰椎は屈曲/伸展や側屈を分離して測定することは困難であり、頸椎のように独自の機能が大きいわけでもありません。

したがって、脊柱の運動障害は、頸椎のみが独立して評価され、頸椎を除いた部分(胸椎と腰椎)についてはまとめて評価されるという、2部位に区分しての評価とされています。

脊柱の変形障害を獲得するための準備・検査

レントゲンによる変形初見の獲得

レントゲンによって、事故後早期に骨折などの損傷が生じていること、後遺障害の診断時期にもその損傷が残っていることの所見を獲得すべき点は、変形障害と同様です。

運動(可動域角度)の測定

頸椎部・胸腰椎部のそれぞれに分けて、①屈曲・伸展、②回旋、③側屈の3種類の運動を測定し、後遺障害診断書に記載してもらう必要があります。

頸椎においては①屈曲・伸展、及び、②回旋が主要運動とされ、③の側屈は副次的な運動(参考運動)とされています。

胸腰部については、主要運動は①屈曲・伸展のみであり、②回旋と③側屈はいずれも参考運動に過ぎません。

後遺障害の等級認定には原則として主要運動が用いられるものの、参考運動によって等級の該当性を判断するケースもあるので、基本的にはすべて計測してもらいましょう。

測定された可動域角度は、以下に表記する可動域角度と比較することで、等級認定の判断に用いられます。参考可動域角度は、以下の通りです。

 

屈曲/伸展

回旋

側屈

頸部

60°/50°

各60°

各50°

胸腰部

45°/30°

各40°

各50°

※参考運動が黒字で表記。

等級の認定基準

可動域角度に応じて、次のとおり等級が認定されます。脊柱の運動障害について、等級認定表は以下の通りです。

第6級5号

脊柱に著しい運動障害を残すもの

第8級2号

脊柱に運動障害を残すもの

脊柱に著しい運動障害を残すもの(第6級5号)

「脊柱に著しい運動障害を残すもの」とは、次のいずれかの原因により、「頸部および胸腰部のいずれも強直したもの」をいいます。

ⅰ:脊椎圧迫骨折等が存しており、そのことがレントゲン等により確認できるもの
ⅱ:脊椎固定術が行われたもの
ⅲ:項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの 

「強直」とは、「関節がまったく動かない状態(完全強直)」または「これに近い状態」をいいます。

「これに近い状態」とは、主要運動(複数の主要運動がある場合は、そのいずれも)が、「参考可動域角度の10%に相当する角度を5度単位で切り上げた角度」以下に制限されたものをいいます。

要するに、頸部および胸腰部が次の可動域角度が、次のいずれの条件も満たしている場合には、「著しい運動障害」として認定されるのです。

(ⅰ)頸部の屈曲+伸展  15°以下
(ⅱ)頸部の回旋     15°以下
(ⅲ)胸腰部の屈曲+伸展 10°以下

脊柱に運動障害を残すもの(第8級2号)

「脊柱に運動障害を残すもの」とは、次のいずれかの原因により、「頸部、または、胸腰部のいずれかが、参考可動域角度の1/2以下に制限されたもの」をいいます。

ⅰ:脊椎圧迫骨折等が存しており、そのことがレントゲン等により確認できるもの
ⅱ:脊椎固定術が行われたもの
ⅲ:項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの

参考可動域角度の1/2以下に制限されているか否かは、原則として主要運動によって判断されます。この点は「強直」の場合と同様ですが、異なる点として、頸部について判断する際、主要運動のいずれかがこの条件を満たせばよいとされていますので、見落とされないよう注意が必要です。

また、さらに見落とされがちな基準として、主要運動が参考可動域角度の1/2を「わずかに上回る」場合であっても、参考運動のうちいずれかの可動域角度が参考可動域角度の1/2以下に制限されていれば、「脊柱に運動障害を残すもの」と認定されるというものがあります。「わずかに上回る」とは、頸部については10度、胸腰部については5度とされています。

したがって、「脊柱に運動障害を残すもの」とは、次のいずれか1つを満たすものをいうことになります。

頸部

(ⅰ)屈曲+伸展が55°以下
(ⅱ)両回旋が60°以下
(ⅲ)屈曲+伸展が65°以下で、且つ、両側屈が50°以下
(ⅳ)頸部の両回旋が70°以下で、且つ、両側屈が50°以下

胸腰部

(ⅴ)屈曲+伸展が37.5°以下
(ⅵ)胸腰部の屈曲+伸展が42.5°以下で、且つ、両回旋が40°以下
(ⅶ)胸腰部の屈曲+伸展が42.5°以下で、且つ、両側屈が50°以下

圧迫骨折等の器質的損傷が認められない場合には運動障害が認められない

なお、脊柱に圧迫骨折等の損傷が残っておらず、痛みや痺れによって脊柱の運動に支障が出ているケースでは運動障害の認定は難しく、神経障害として評価されることになるでしょう。

第11級程度の脊柱変形では、等級認定がされるほどの脊柱の運動障害まで伴わないことが多く、それゆえに運動障害も第8級が最低等級とされています。

したがって、脊柱の運動障害が認定されるための器質的損傷とは、相当に大きなものが想定されているといえるでしょう。

脊柱の荷重機能障害

脊柱の荷重機能障害とは

頸椎には頭部を支える機能が、腰椎には腰部以上の体幹を支える機能があります。圧迫骨折等により、これらの支えができなくなった場合には、荷重機能障害として認定されます。

等級の認定基準

支持機能を失った部位数に応じて、次のとおり等級が認定されます。

第6級5号

頸部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの

第8級2号

頸部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの

なお、硬性補装具とは、補装部分が金属やプラスチックで構成されているものを指します(硬性か否かは製品ごとに表記されており、これに該当するか否かの判断は容易です)。

補装具には、補装部分がゴム、布、革等、曲げたり伸縮できる素材で構成された軟性補装具(いわゆるサポーター)がありますが、こちらで十分な場合には荷重機能障害としては認定してもらえませんので、注意が必要です。

頸部と胸腰部のそれぞれに障害がある場合の取扱い

併合の方法による等級の繰り上げ認定

後遺障害が複数の部位に認められる場合、「併合」というルールによって、最も重たい等級が繰り上がります。最も重たい等級を除いた他の等級が、8級以上の場合には2等級、13級以上の場合には1等級を繰り上げるというのが併合のルールです。

頸部と胸腰部については、それぞれ別の機能があることから、脊柱のなかでは個別に等級認定が得られます。

頸部と胸腰部のそれぞれ後遺障害が認められる場合、等級認定基準にこれを定めるものはありませんが、それでは後遺障害の重さを正確に反映できているとはいえません。そ

こで、このような場合には、併合の方法を用いて上位等級が認定できるとされています(自賠法施行令別表第二の「備考6」)。

したがって、たとえば、頸部に第11級7号の変形障害があり、腰部に第8級2号の運動障害が認められる場合、併合の方法を用いて、1等級繰り上がり、第7級相当として扱われます。

なお、併合の方法による繰り上げ調整は、上位等級との間で整合性を欠いてはならないとされています。

そのため、たとえば、頸部と胸腰部のそれぞれに第8級2号の運動障害が認定された場合、2等級が繰り上がり、第6級とすることはできません。

なぜなら、頸部と胸腰部のいずれもが強直した場合ですら第6級5号とされているのですから、このような後遺障害には第6級ほどの重篤さはないと考えられるからです。

この場合には、第6級に達しないものとして、第7級相当として扱われます。

通常の併合等級は、脊柱の等級評価後に適用する

以上の脊柱間における頸部と胸腰部の調整は、あくまで「併合の方法による調整」であって、「併合」そのものではありません。

したがって、脊柱において併合の方法により相当する等級を定めた後、他の部位に別系統の後遺障害がある場合には、改めて併合によって等級を繰り上げて認定することになりますので、注意が必要です。

おわりに

等級認定基準が複雑で見落とされやすい

以上、ご説明してまいりましたとおり、脊柱の後遺障害は認定基準が複雑で、適切な等級が見落とされる可能性がある分野です。

また、自覚症状すら欠くこともある圧迫骨折の類型では、後遺障害の等級認定申請すら見落とされてしまう事態が生じかねません。

適切な等級認定を獲得するためにも、専門知識を有する弁護士と二人三脚で申請に挑む必要があります。

圧迫骨折による賠償額は争われやすい

また、今回の記事では触れていませんが、特に、第11級7号の圧迫骨折による変形障害は、逸失利益の金額が非常に強く争われる傾向にあります。

確かに、第11級7号は自覚症状すらなくとも認定される可能性がある点で、現在の労働能力に大きな支障が出ないケースもあります。

しかし、体幹を支持する機能を有する脊柱の変形は、年齢とともに支持機能を劣化させるリスクを孕むため、一概に逸失利益を減額してよいわけでもありません。

これらの点を踏まえて適切な交渉をするためにも、経験豊富な弁護士にご依頼されることをおすすめいたします。

「頸椎圧迫骨折」・「胸腰椎圧迫骨折」が診断された方へ

以上のとおり、圧迫骨折をはじめとした脊柱の損傷には、交通事故被害者の方にとって大変なハードルが待ち構えています。

これらの診断が付された方は、治療や事故前の生活へ復帰することに集中するためにも、早期に交通事故や後遺障害に精通した弁護士へご相談ください。

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