交通事故の基礎知識

交通事故でむちうちになった際の治療について

交通事故でむちうちに!?症状と必ず取るべき6つの行動

交通事故が原因で生じることの多いむちうちは、その症状がはっきりしないケースがほとんどです。直後に自覚症状があらわれないことから、「それほど深刻ではない」と放置してしまう方も少なくありません。

しかし、むちうちの放置は非常に危険です。直後に目立った自覚症状があらわれなくても、身体は事故によって大きなダメージを受けている可能性があります。それを知らずに適切な行動をとらないでいると、後々大変なことになってしまう可能性もあります。

そこで、今回は交通事故でむちうちになってしまった場合の治療についてや、むちうちと疑われる症状が出た場合の、その後に取るべき行動について、専門家の立場からわかりやすく解説します。

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むちうちになって取るべき治療面の行動

むちうちが疑われる場合、治療を受けるなど何らかの対策を考えることが必要です。ここでは、その場合に何が必要かについてお話します。また、してはいけないことについてもご説明します。

医療機関で治療を受ける

むちうちの疑いがある場合、まずは医療機関を受診しましょう。ご自身の症状がどのような状態にあるか、また骨に異常が生じていないかを確認するには、やはり医療機関への受診が必要です。その際には整形外科を受診してください。

検査や治療はもちろん、痛みが生じたときのケアなど、専門家ならではのサポートを受けられます。リハビリテーションも受けられるので、総合的かつ専門的な判断と対応を受けるためにも、最初に医療機関を受診してください。また、診断書をもらう必要もあります。必要に応じて整骨院や鍼灸の治療院を紹介されることがあります。

整骨院・接骨院に通う

むちうちが疑われる場合には医療機関を受診し、リハビリを受けることは非常に重要です。

しかし、実際に医療機関で「骨に異常はない」と判断されて医師が治療に積極的ではなかったり、リハビリ設備の整っていない整形外科で受診していた場合や、お仕事をされていて整形外科に通院する時間を確保できない場合など、十分な治療を受けられないまま痛みや不調が残り続けるといったこともあります。こうした症状に対応するには、整形外科医の指示または同意のうえで整骨院や接骨院での施術を受けることも考えられます。

柔道整復師の資格を持つ施術者が所属する整骨院・接骨院では、矯正や安静などを目的とした施術を受けられます。医療機関で異常がないと言われても痛みが気になる場合、和らげるための施術も受けられます。痛みはもちろん、倦怠感や体調不良に関する相談もできます。

但し、あくまで医師の診断に基づいて実施されるものですので、整骨院・接骨院での施術を中心に治療する場合であっても、定期的(週に一回)に整形外科へも通院するようにしましょう。

鍼灸施術を受ける

鍼灸施術とは文字通り、鍼やお灸で体の不調を和らげるための治療です。東洋医学からの考えをもとにした鍼灸施術は、現在その効能が認められて利用者が増えてきています。わずかな刺激の施術となりますので、体質的にマッサージが苦手な方にも向いていると言えます。首や肩の痛みやこりをはじめ、めまいやしびれなどの体調不良の緩和に役立ちます。金属アレルギーの方には向かない施術となりますので、受ける前に必ず確認をしましょう。

また、交通事故でのむちうちの場合、保険会社が鍼灸施術での保険適用を認めない場合があります。医師や保険会社に相談のうえ、施術を受けるようにしましょう。

以上、むちうちへの対策として、どのような治療があるかをお話しました。共通して言えるポイントは、専門家の見解に従うことです。むちうちの場合、決して自己判断をしないように気をつけましょう。ご自分でマッサージをするなどの安易なセルフケアは、症状の悪化を招く原因になります。

むちうちの異なる4つの症状

そもそもむちうちとは、外からの大きな衝撃によって頸椎がダメージを受けて炎症を起こし、首の痛みなどの症状をともなうことを指します。よくある原因としては交通事故が挙げられますが、スポーツ中の事故やオーバーユーズもむちうちの原因となり得ます。

むちうちにもさまざまなタイプがあります。基本的には「頚椎捻挫型」「神経根症状型」「バレ・リュウー症状型後部交感神経症候群」「脊髄症状型低髄液圧症候群」の4種類となります。

頸椎捻挫(けいついねんざ)型のむちうち

頸椎捻挫型は、頸椎の周りの筋肉や靭帯が損傷を受けることによって起こります。こちらは4種類のなかでも最も多いタイプのむちうちと言えます。症状としては、「首の後ろが痛む」「肩が痛む」などがあります。痛みのために首や肩を動かせないレベルに達することもあります。

神経根症状(しんけいこんしょうじょう)型のむちうち

神経根症状型は、頸椎のバランスが崩れてゆがみが生じるタイプのむちうちです。神経が圧迫されることにより、「首や顔、後頭部が痛む」「腕や足などにだるさとしびれを感じる」など、痛みだけでなくだるさやしびれなどの不快感を伴うようになります。くしゃみをすると症状が悪化するなどのケースもあります。

バレ・リュウー症状型のむちうち

バレ・リュウー症状型後部交感神経症候群では、事故などの衝撃によって交感神経が損傷を受けます。その結果、椎間板や筋肉が圧迫されて椎骨動脈の血流が低下します。吐き気や耳鳴りなどの症状のほか、特に理由がないのに頭痛を伴うケースが多いです。これらの症状に関しては、実際に医療機関を受診しても異常がないと判断されることがほとんどです。

脊髄症状(せきずいしょうじょう)型のむちうち

脊髄症状型低髄液圧症候群は、下肢にダメージを受けるタイプのむちうちです。頸椎の脊柱管の通り道である脊髄がダメージを受け、下肢に伸びている神経が傷つくことにより、結果としてしびれなどの症状があらわれます。不快感のために歩行困難になることもあります。

このように、むちうちにはさまざまな種類があり、その症状にも多くのものがあります。また、事故当時はそれほど気になる症状があらわれなくても、時間がたつと悪化して生活の質を下げるレベルにまで到達するケースが少なくありません。「首の痛みやだるさ、倦怠感、不眠、めまいなどが以前よりも起きやすくなった」「痛む場所が時々変わる」「雨が降ると症状があらわれる」「わずかな仕事や運動で体調が悪くなる」など、気になる症状がありましたら、すぐに何らかの対策をとってください。むちうちの放置は非常に危険です。

むちうちになって取るべき賠償面の行動

むちうちの可能性が考えられる場合、治療が必要なことはもちろんですが、そのほかにもとるべき行動があります。特に交通事故が関係する場合には、賠償面での行動も必要です。ここで順を追ってご説明しますので、必要な場合にお役立てください。

『むちうちで受け取れる慰謝料の種類と相場』では、むちうちになって請求できる慰謝料について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

警察に連絡をする

まずは、警察に連絡をすることです。交通事故の場合、当時は軽い衝撃だからと言って当事者同士で解決してしまうケースが少なくありません。しかし、ここで警察に連絡をしないと交通事故証明書が発行されず、治療の際に保険金の支払いがされなくなってしまいます。事故の発生時刻や場所はもちろん、負傷者についてなど、詳細をメモしたうえで警察に連絡しましょう。

ご自身が被害者となった場合、加害者の確認も必須です。加害者の車検証や免許証、連絡先や加入先の保険会社も聞きましょう。個人情報を聞くことにためらいがあるかもしれませんが、こうした確認を怠ると後に被害者側が困る結果となります。目撃者がいるなら協力を頼むことも手段のうちです。

保険会社に連絡する

さらに、ご自身が加入している保険会社に連絡しましょう。交通事故専用のサポートデスクがありますので、そこで必要な情報などを得られます。その後に送られてくる郵便物などの保管も徹底しておきましょう。

医療機関を受診する

その後、医療機関を受診しましょう。前の章でもお話しましたが、交通事故によるけが、特にむちうちの場合は早めの行動が何よりも肝心です。必要な治療費は相手側から支払われ、交通費も賠償の対象となりますので、金銭面でそれほど心配することはありません。

ただし、タクシーの利用など高額の費用が生じる場合には、後のトラブルを避けるためにも必ず保険会社に負担してもらえるかどうかを確認しておくとよいでしょう。治療費の領収書は必ず保管しておきましょう。また、医療機関を受診する際には、必ず診断書を発行してもらいましょう。医療機関の診断書がないと保険金が支払われなくなります。

その後、警察署で交通事故証明書を発行してもらいます。申請用紙に必要事項を記入したうえで、手数料を振り込めば完了です。そのほかにも保険会社との相談、示談や調停、裁判などを通じて保険料が支払われる流れとなります。1ヶ月ほど時間がかかりますが、必要事項を取りこぼすことがないように一つ一つしっかりと対応しましょう。

最後に

むちうちは直後の治療を怠ると、時間がたつごとに予想以上に苦しい後遺症に悩むこととなります。生活の質を大きく下げる場合もありますので、当時にそれほど気になる症状がなくても必ず適切な対応をとって治療を受けるようにしましょう。交通事故でもスポーツによるけがでも、人間の体は私たちが思う以上に強いダメージを受けるものです。

特に交通事故でむちうちになった場合は、治療はもちろん賠償面での行動が必要です。突然の事故で混乱することが多いかと思われますが、一つ一つ落ち着いて対応するように心がけましょう。一人で悩まず、協力者の助けを得ながら、この状況を改善していくことが最善の方法です。

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