交通事故 解決事例集

京都府80代女性が後遺障害第1級1号に認定された事例

依頼者について
年齢
80代
性別
女性
住所
京都府
受傷部位
傷病名
右橈骨遠位端開放骨折,右上腕骨顆部脱臼骨折,右前腕2/3周性外傷創,右大腿骨骨幹部骨折,右脛骨骨幹部骨折,左大腿骨顆部粉砕骨折,左脛骨高原粉砕骨折,右第1指中手骨骨折,右リスフラン関節脱臼
治療期間
21ヶ月
後遺障害等級
1級1号
解決方法
交渉
ご依頼から解決までの期間:
1440日
前後比較
弁護士ご相談前

後遺障害等級

弁護士交渉後

後遺障害等級

第1級1号
事故発生~解決まで
事故状況
駐車場内で立っていたところ,後方よりバックしてきたトラックに轢過され,右手及び両足を複雑骨折し,その後片足切断するに至った事案です。
ご相談の経緯
今後の治療費や,介護の負担等についてご不安に思われたご家族の方より,どのように保険会社に対し賠償を求めていけるのかお問い合わせをいただき,弁護士が出張相談に伺いました。
弁護士の対応方針
まずは後遺障害等級第2級以上の後遺障害の獲得を目指しました。
後遺障害等級が一つ変わるだけで最終的な賠償金額も数百万円単位で変わります。
適切な後遺障害等級を獲得するために,そもそもいかなる資料を提出すべきか,また,その資料の内容をいかに充実させるかは非常に重要となります。

相手方任意保険会社との交渉の段階では,80歳を超える被害者の稼働能力をしっかりと評価してもらうこと,家族による介護状況を理解してもらうこと,被害者の過失を最小限に抑えることに注力しました。
解決のポイント
1.後遺障害等級1級1号の獲得
主治医から適切な内容の診断書を書いていただくとともに,介護保険の認定結果,日常生活状況報告書を作成の上提出するなどし,後遺障害等級1級1号を獲得しました。

2.適切な賠償金の獲得
本件では,①休業損害,逸失利益,②将来介護費,③過失割合について,相手方任意保険会社と大きく見解が対立していました。
①休業損害,逸失利益について,被害者がご高齢であったことから,相手方保険会社からは高齢者(70歳以上)の平均賃金の50%の稼働能力しかないと主張されていました。
しかし,事故前の被害者の生活状況等を詳細に主張することで,最終的に高齢者(70歳以上)の平均賃金の100%の稼働能力を認めていただきました。
②将来介護費について,当初はデイサービス等の職業介護費用しか認定されていませんでしたが,近親者による介護の状況を資料を付けて立証することで,近親者の将来介護費も認めていただきました。
③過失割合についても,交渉によって,当初相手方任意保険会社が主張していた過失割合の半分まで下げることができ,ごくわずかな過失割合に抑えることができました。

本件では,裁判になった場合に認められる遅延損害金(年5%の利息のようなもの。2020年4月1日以降に発生した交通事故の場合は年3%)や,弁護士費用(賠償が認められた金額の10%程度)が相応に期待できるため,裁判となった場合に認められるこれら追加の金額を勘案して,解決の妥当性を検討しなければなりません。
本件は,上記のような交渉の結果,裁判での解決に匹敵する賠償を示談で早期に引き出すことに成功した事案でした。

弁護士のコメント

本件のように特に重い後遺障害等級が見込まれる場合,それだけ賠償金額も大きくなることから,少しの計算条件の違いが大きく賠償額に影響します。そのため,相手方任意保険会社による提示金額と弁護士が積算した請求金額との間に,大きな隔たりが生じることが少なくありません。本件も,まさにそういった事案でした。
本件では,効果的な資料の作成・提出により適切な後遺障害等級を獲得するとともに,その後の交渉段階でも丁寧な立証により満足のいく賠償金を獲得でき,ご依頼者にも大変喜んでいただくことができました。
訴外で円満に解決した成功例として,大変印象深い案件の1つです。

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