交通事故 解決事例集
大阪府大阪市40代男性の、後遺障害等級併合14級に認定された事例
依頼者について
- 年齢
- 40代
- 性別
- 男性
- 住所
- 大阪府大阪市
- 受傷部位
- 傷病名
- 頚椎捻挫、腰背部打撲傷、外傷性頚部症候群、腰部捻挫
- 治療期間
- 308日
- 後遺障害等級
- 併合14級
- 解決方法
- 交渉
ご依頼から解決までの期間:
10.4ヵ月
10.4ヵ月
前後比較
弁護士ご相談前
後遺障害等級
認定前にご依頼
弁護士交渉後
後遺障害等級
併合14級
事故発生~解決まで
- 事故状況
- 信号待ちで停車中に後方から追突された事故です。頚椎捻挫・腰椎捻挫(いわゆるムチ打ち)等の怪我を負われました。
- ご相談の経緯
- 保険会社から治療の終了を打診され、これに応じて治療を終了したものの、その後も痛みが残っているとのことでした。そのような中で、相手方保険会社から示談金額の提示が届いたが、その金額が低く、とても納得できないということでご相談を頂きました。
- 弁護士の対応方針
- 依頼者は、受傷部位に関し、未だ痛みが残っているとのことで、治療の再開を検討されていました。しかし、治療の終了から期間が経過していたことから、再開後の治療費を相手方に賠償を求めることは困難と考えました。そこで、残存する痛み等の症状に対して賠償を得るために、後遺障害認定の申請をすることを提案しました。
これにより後遺障害等級が認定されれば、治療費という形ではなく、後遺障害慰謝料や逸失利益という形で賠償を受けることができるためです。
もっとも、依頼者は、個人で事業をされていたところ、確定申告はしていたものの、申告上の所得がゼロとなっていました。
そのため、休業損害や逸失利益の交渉において、算定の基礎となる所得をどのように考えるかが争点となると想定されました。確定申告書以外の資料から実収入を説明することが困難であったため、まずは同年齢男性の平均賃金(約600万円)を基礎として交渉していく方針を立てました。
- 解決のポイント
- 受任後、まずは後遺障害等級認定の申請を行いました。申請にあたっては、自賠法16条に基づき、被害者側主導で行う方法(被害者請求)を採りました。
後遺障害等級が認定されるか否かで、残存する痛みに対して賠償が受けられるか否かが全く変わってきますので、後遺障害認定に関する意見書を作成し、添付しました。
その結果、意見書記載の意見のとおり、首と腰の各痛みに対し、14級9号(併合14級)が認定されました。
次に、後遺障害が認定されたことを踏まえて加害者側の保険会社と具体的な示談金について示談交渉を開始しました。想定していたとおり、休業損害と逸失利益の金額が争いとなりました(特に休業損害については、当初、ゼロという回答でした。)。逸失利益については、年数も争点となりました。
これに対し、当方は同年齢男性の平均賃金(約600万円)を基礎にするとの主張を維持し、実際の稼働状況の説明に尽力しました。もっとも、実際の所得が約600万円程度であるということを証明する資料に乏しく、裁判となると大幅に減額されてしまう可能性が高いため、休業損害については一定の譲歩を検討しました。
それであっても、自賠責保険で基準とされている5,700円を下回ることはないとし、根気強く交渉を行いました。
その結果、休業損害については日額5,700円を前提にした金額を、逸失利益については、同年齢男性の平均賃金の5年分の金額を賠償として得ることができました。
弁護士のコメント
本件は、後遺障害認定の申請を提案し、これが認められたことが、まず大きかったと考えます。
ここで後遺障害申請をせずに示談交渉を開始していれば、依頼者の症状に対して適切な賠償を得たということにはならなかったことでしょう。
そして、後遺障害が認定されたことにより後遺障害慰謝料と逸失利益も損害賠償の対象になったわけですが、特に逸失利益について、客観資料が乏しい中で申告上の所得額を上回り、しかも同年齢男性の平均賃金を前提とした賠償を受けられたことは、裁判をした場合より結果として十分な補償を受けられたものと自負しています。