過失割合

交通事故の過失割合・過失相殺を解説

交通事故の過失割合と過失相殺について解説

交通事故で慰謝料などの損害賠償の金額とともに、過失割合が争点となることが多くなっています。保険会社が提示する過失割合に納得できない場合も多いでしょう。

過失割合は保険会社が一方的に決めてよいものではないため、提示された内容に不服であれば認める必要はありません。場合によっては保険会社と交渉しましょう。ここでは過失割合の決め方や過失相殺の仕組みをご紹介します。

過失割合とは

過失割合とは、交通事故の責任が加害者と被害者にそれぞれ、どの程度あるのかを数値化したものです。7対38020といった表現の仕方をし、合計が10または100となることが一般的です。特に車両同士の交通事故では、お互いに動いている状態での事故が多いので、片方だけが100:0で悪いという事例は少なく、両者に過失があると判断されるケースがほとんどと言えます。過失割合は通常、過去の判例を参考にしつつも,各保険会社が独自の基準を設けて、決定しています。

過失割合の例

例えば,信号機が設置されていない交差点で,自動車Aと、Aの右方から交差点に進入した自動車Bが出合い頭に交通事故を起こしたケースの過失割合は、以下の通りです。意外に思われるかもしれませんが,道路交通法は左方優先の原則を定めておりますので,出会い頭事故においては,右方から進入した車両の方が少し重い責任を負うことが多いのです。

■A・B共に減速しなかった A:B=40:60

■A・B共に減速した A:B=40:60

■Aは減速せず、Bは減速した A:B=60:40

■Aは減速し、Bは減速しなかった A:B=20:80

過失割合は誰が決めるのか

過失割合は保険会社との示談交渉時に、保険会社から提示されるケースが多いでしょう。そのため、過失割合は保険会社が決定するものと勘違いしてしまう方もいますが、保険会社が一方的に決めて良いものではありません。

示談の段階では、保険会社と被害者が話し合って過失割合を決めることとなります。しかし、本来被害者に過失がないような事故でも、保険会社は少しでも被害者の過失を求めようとし、話し合いがまとまらないことも多いでしょう。そもそも交渉に応じようとしない保険会社さえ存在します。

話し合いで合意できないからといって、保険会社の提示した過失割合で決まってしまうわけではありません。納得できない場合は裁判を起こし、裁判所の判決に委ねることができます。

過失割合の認定基準

過失割合は保険会社と話し合って納得できれば問題ありませんが、納得がいかないケースの方が多いでしょう。そのような場合には、まずは正しい認定基準を知り、それを根拠に交渉していきましょう。

裁判においては用いられる認定基準は、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」という書籍にまとまっているため、購入し知識をつけるとよいかもしれません。しかし、法律関係者が読む専門書で、ハードルは高いでしょう。

保険会社が過失割合の話し合いに応じないのであれば、最終的には裁判となるため、この段階から弁護士に依頼することをおすすめします。過失割合は金額を大きく左右する部分ですので、弁護士に相談もせずに泣き寝入りすることだけは避けたいところです。

実況見分調書

過失割合を決定する上で、重要な証拠となるのが「実況見分調書」です。人身事故の場合は、警察が現場検証を行い、当事者の立会いのもと、事故時の状況をまとめた書類を作成します。それが実況見分調書です。

実況見分調書は警察の作成した書類なので、有効な証拠とできるでしょう。一方で、必ずしも被害者に有利な証拠となるとは限りません。コピーが入手できるので、まずは内容を確認し、有利な証拠となるようであれば有効に活用しましょう。

実況見分調書のコピーは次の手順で入手できます。

  1. 実況見分を行った警察署へ行き、加害者の送致先検察庁、送致日、送致番号を聞く。
  2. 送致先検察庁へ行き、送致日と送致番号を伝え、予約を申し込む。
  3. 予約日に送致先検察庁へ行き、コピーをとる

実況見分調書の閲覧・コピーの際には、身分証明書や印鑑、手数料が必要になる場合があるため、予約する際に必要なものを確認しておきましょう。

過失割合のご相談は専門の弁護士まで

基本的には、事故形態別に基準はありますが、事故状況は多種多様ですので、適宜、ケースに合わせた修正がされます。そこで問題となるのが、保険会社から提示された過失割合が、実態にあったものかどうかという点です。場合によっては、相手側の言い分が一方的に採用され、本来被害者である方が加害者とされるなど、知らないうちに立場が逆転しているケースもあります。保険会社というプロを相手に、自分の力だけで覆すのは相当難しいので、納得がいかない場合や不明点がある場合には、弁護士に依頼することをお勧めします。

過失相殺

過失相殺とは、交通事故の被害者側にも何らかの過失落ち度があると認められる場合には、損害賠償金額から被害者の過失割合分に応じて減額することを言います。過失相殺は、事故による損害を両当事者に公平に分担させることを目的としています。

過失相殺の適用範囲

過失相殺の適用範囲は広く、治療費や休業損害、逸失利益、慰謝料など、請求対象がすべて減額されてしまいます。例えば、加害者と被害者の過失割合が73で、加害者から被害者へ損害賠償額が8,000万円だとすると、加害者の過失割合の7割に当たる、5,600万円だけが支払われることとなります。

もし過失割合が82であれば、6,400万円を受け取れ、800万円もの差が生まれます。正しい過失割合を決めることは、賠償額を決めるのと同程度に重要なものなのです。

車両同士の事故の過失相殺の例

お互いの修理額が同じ場合

・過失割合 A:B=80:20

・Aの修理代:100万円、Bの修理代:100万円

AはBに80万円支払い、BはAに20万円支払うことになりますが、AB両当事者が合意すれば,AがBに60万円支払うことで、受け取り分を相殺します。

お互いの修理額が異なる場合

・過失割合 A:B=80:20

・Aの修理代:500万円、Bの修理代:100万円

AはBに80万円の修理費を支払い、BはAに100万円の修理費を支払うことになります。このように,過失割合的にはBが被害者ですが、過失相殺した結果,BがAに20万円支払うといったケースもあります。

最後に

加害者側の保険会社はできる限り支払い金額を抑えようとしてきます。相手の主張をそのまま鵜呑みしてしまうと、自分は悪くないのに損をしてしまう可能性があります。 納得がいかない場合や、ご不明な点があれば,交通事故問題の正しい知識を持つ弁護士に相談することをお勧めします。弁護士法人いろはでは、ご相談は無料で行なっていますので、まずはお気軽にご相談ください。